物流パートナーが見つかる ブツレボ
ここでは、書籍・雑誌・出版物などの商品に適した物流倉庫サービスについて、くわしく解説しています。書籍・雑誌・出版物の物流を委託したい場合には、どのようなポイントに気を付けて業者選びをすればよいのでしょうか…?
出版業界は電子書籍等、WEBに押されています。売上も減少傾向にありますので、業界全体で生き残りのための施策を多々打ち出しているのが現状です。物流も影響を受けている一つで、電子書籍やWEBサイトであれば物流を頼る必要がなく、書籍という形で消費者に届けるよりもスピーディーです。
読む・見るだけであればわざわざ書籍である必要が無くなってきています。つまり、読む・見る以外の付加価値を用意することが業界全体で求められています。
近年、書籍のおまけで様々なアイテムが付与されているのもその一つです。読むだけ・見るだけではなく、プラスアルファで魅力を訴求することこそ、出版業界全体の課題です。
版業界は物流に関してはアウトソーシングを頼った方が良いとされています。
なぜなら、出版量が減少傾向にあるため、自前で物流を抱える場合、採算が取れないケースが増えています。
かつてのように、出版業界全体が好景気であれば、自前で運送業者を抱えた方がコストパフォーマンスも高かったのですが、出版業界全体が売上減少していますので、コストカットが求められています。
つまり、必要な時だけ依頼できるアウトソーシングの方が費用面で効率的です。
出版業界の物流に求められるのは、重量物への対応です。
紙は1枚程度であればさほど重くはありません。しかし、本になると重くなります。ましてや物流に依頼する場合、何十冊、何百冊と依頼することになりますので、重量物に対応した環境・物流体制が求められます。
仮に重量物に対応していない場合、保管、配送に支障を来し、予定通りの配送が行えなくなります。
また一度に多くの書籍を運搬するためには、ボックス等の資材も必要ですが、ボックスがスムーズに移動できるよう、倉庫の床が綺麗かという点まで問われる傾向にあるようです。
書籍は重量物ではありますが、水分や湿気に弱いです。そのため、物流倉庫現場の衛生管理が求められます。
例えば作業員の飲食物持ち込みOKの現場の場合、書籍に飲料水をこぼしてしまう可能性もあります。当然、そのような書籍は消費者・店舗の元に運ぶことはできませんが、発売日が決まっている書籍の場合、代替品の手配が間に合わなくなるケースもあります。そのため衛生面への配慮が最低条件として必要です。
そのうえで、ボックス等をスムーズに移動させるための綺麗な床面が求められます。
出版業界が物流業者を選ぶ場合、衛生面に優れている物流倉庫が大前提です。
その点では、過去に出版物を担当したことのある物流倉庫が望ましいです。なぜなら、出版物の管理・運搬が如何に大変なものであるかを理解していますので、出版物の配送のための環境の用意も可能です。
また返品等があった際に、カバーの取り換えや研磨といった業務(「改装」と呼ばれる業務)を行ってくれるところが、パートナーとしては心強いでしょう。
このような専門的な対応面を考慮すると、同種商材・同業界の実績が豊富、あるいは特化している物流倉庫を選ぶのが安心かもしれません。やはり、専門的なノウハウや実績を持っているところの方が、何かと安心ですよね。
ただ、1点だけ注意したいことが。それは、同じ商材・同じ業界であっても、業務フローや商品に対する考え方は異なる場合がある、ということです。たとえば上で触れた「改装」についても、日本の出版社では当たり前の文化なのですが、洋書の場合はそのような考え方がありません。このようなギャップでトラブルにならないためにも、事前にしっかりと委託業務の内容の確認、打ち合わせは行っておくようにしましょう。
出版業界は形が整えられている出版物だけではなく、多種多様な付加価値を用意していることから、物流担当者の力量も問われるようになりました。
これまでであればトラックに出版物を重ねるだけで良かったのですが、付加価値の形・種類が多種多様なので、それらを踏まえた荷造りが求められるのです。
一方で出版物そのものは減少傾向にあります。そのため、書籍を配送する物流業者は量より質が求められています。