物流アウトソーシング会社が見つかる ブツレボ

物流アウトソーシング・3PLパートナーが見つかる! » かんたん:物流コスト削減方法とその基礎知識 » 物流コストを決定するのは、顧客に対するサービスレベル。その理由を解説

物流コストを決定するのは、顧客に対するサービスレベル。その理由を解説

ロジスティクス最適化を考える最初の手順として、「顧客サービスレベル」はいかに設定していくべきかをまとめています。顧客にマッチしたサービスレベルを考えるための方法として、売上高と粗利率で貢献度を分類する、ABC分析についても大まかなその理屈など解説。その他、納期や対応頻度、受注時間などについてもそれらがどうコスト削減に関わってくるのかを説明しています。

顧客にマッチした物流サービスレベルを考える

経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間)には限りがある

効率良いロジスティクス実現のためには5Rを満たすことだと紹介しましたが、適切なモノを適切な場所に届けるの「適切」とはどういうことでしょうか。

結論から言うと、全ての顧客に最高レベルのサービスを提供することではありません。これだとコストばかりが上昇して事業を継続できなくなります。「適切」とは、顧客にはそれぞれ求めるレベルのサービスがあり、そのレベルに応じたサービスを提供していくことです。

その場合に基準となるのは、自社への貢献度です。利益貢献してくれる顧客と、そうでない顧客とで、サービスレベルに差をつけるのです。アンフェアに聞こえるかも知れませんが、限りある経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間)で全体のサービス水準を上げようと思えば、決して悪いことではなく、むしろ合理的と言えます。

大事なのは、「どれだけの貢献度の顧客にはどのレベルのサービスを提供するか」がルール化されているかどうかです。ルール化が曖昧で人の判断が入り込む余地があると、経営資源に無駄が生じてしまいます。

売上高と粗利率で貢献度を分類 パレート分析・ABC分析

ルール作りのために一つの指標になるのが、顧客ごとの売上高と粗利率で貢献度を把握する方法です。

売上高(または粗利率)が〇万円以上の顧客をAランク、△万円以下の顧客をCランク、その中間の顧客をランクとします。この〇万円の金額は会社や業態によって異なるので自社で設定すればいいのですが、目安の方法としてパレート分析(ABC分析)があります。

これは20:80(ニハチの法則)とも呼ばれ、上位20%の顧客が全売上高の80%を占める傾向にあるとする法則です。これをもとに売上高累計の80%までをAランク、95%までをBランク、残り100%までをCランクとする方法がよく使われているようです。

粗利率も同様で、ABCのランク分けをします。そして、売上高のランクを縦軸、粗利率を横軸にマトリックスを作成し、両方の貢献度に応じて提供するサービスのレベルを決定していくのです。

ただ、現状で貢献度が低くても将来的に取引拡大が見込める顧客は、最初から高いレベルを提供しておくべきでしょう。この方法は絶対の基準ではなく、あくまで目安であり、自社がいかに非効率なサービスをしていたかを見直すキッカケにもなり得ます。

納期対応でコストは変わる

顧客サービスのレベル項目は

  1. 納期対応
  2. 提供付加業務
  3. 対応頻度
  4. 受注時間対応

の4つに分けられます。

このうち納期対応は、受注から顧客の手元に届くまでの時間が短くなればなるほど物流コストは上昇します。このため、Aランクの顧客には翌日納品や日時指定は可能で、配送料は無料、Bランク顧客には日時指定は可能だが、配送料は有料というようにサービスレベルの項目を記載していきます。

ただ、ここで注意しておくべきことがあります。顧客のランクごとにサービスレベルを設定しても、当の顧客が本当にそのレベルのサービスを必要としているのかどうかは分かりません。こちらが良かれと午前中納品をしていても、実際には午後でも支障がなかったという話はよくあるのです。このため、顧客と実際に交渉して本当のニーズを把握しておくことが必要です。

通信販売大手のAmazonは、当日便や日時指定便は有料ですが、日時指定を設けない通常配送は、「最短の発送方法」という表現で、配送料無料で顧客に商品を届けています。こうすれば、双方が納得するロジスティクス体制を作ることが可能になり、合理的と言えます。

一方で、納期対応には配送対応の他に在庫対応も関係してきます。オーダーを受けて翌日届けるには、自社で在庫を持っておく必要があるからです。しかし、自社で在庫を保有するとなると、そのオペレーションに手間とコストがかかり、業務も煩雑化します。このため、必要な量だけの発注・生産するという流れにしておくのが望ましいと言えます。

提供付加作業は採算性で判断

提供付加作業は言い換えれば流通加工のことで、包装・ラッピング作業や値付け作業、詰め合わせ・セット作業、検品・検針作業など多岐に渡り、当然ですが人件費がかかります。これを有料にするか無料にするかどうかは、物流ABCという管理会計手法の物流業務版を使います。計算方法は以下の通りです。

 (投入人数×投入時間×人件費時間単価)÷流通加工料(ケースなど)=1加工当たりの単価

基本的にAランク顧客には、流通加工は無料化を検討してもいいでしょうが、粗利高から加工経費を差し引いて採算が取れていなかったら有料化も考えるべきです。また、B・Cランクの顧客は基本的に有料化するなど明確な方向付けをしておくことが必要です。

実際に流通加工を請け負うのは物流業者が多く、流通加工を含めた一連の物流業務をサードパーティ・ロジスティクス(3PL)サービスとして荷主に提供しています。このケースでは流通加工の料金は委託費の中に含まれている場合が多いのが実情です。

対応頻度は配送コストに大きく影響

配送コストを押し上げる対応頻度

対応頻度とは、顧客にどれだけの頻度で自社商品を配送するのかということです。1週間のうちに毎日行う場合があるし、週2、3回の場合もあり、これはその顧客との取引額や商品の種類などによって違ってきます。結論から言うと、対応頻度は配送コストに大きく影響するため、自社で運賃負担をする場合、顧客から徴収するのが基本となります。無料化するとすれば、コストを吸収できるぐらいの利益貢献度のあるAランクの顧客ということになるでしょう。

一般的にトラック運賃は、1回当たりの輸送量が小さい荷物を多くの回数に分けて運んだほうが割高になります。逆に1回当たりの輸送量は多くても回数を絞った方が割安ということです。

1ケース10㌔グラムの商品を平成2年の積み合わせ基準運賃で運んだ場合、20ケースずつ5回納品すると、

  2370円/回×5回=11850円

50ケースずつ2回納品だと、

  4870円/回×2回=9740円

となり、2110円(17・8%)の差が生じることになります。これをすべて自社で負担していたら赤字になってしまいます。

最近は運送会社もドライバー不足から車両を大型化(トレーラへの転換など)して1運行当たりの輸送量を増やす傾向にありますが、肝心の顧客側の受け入れ体制が整っていないと、処理能力を超える量の商品は受け入れてもらえません。

顧客側と十分な話し合いを行って、できるだけ対応頻度を減らしてもらい、それが不可能な場合はBCランクの顧客に対しては有料化する必要があります。また、Aランク顧客でも配送コストで採算が合わない場合は、有料化を検討すべきでしょう。

受注時間の後ろ倒しは慎重に

一般的に物流センターは、営業時間を何回かに分けて出荷作業をしています。センター側にとっては、この区切りが少ない方が効率は上がります。

ところが、顧客によっては、遅い時間に発注してくるところも少なくありません。顧客にすれば、遅い時間まで注文ができれば利便性は高いし、「無理を聞いてくれる良い取引先だ」ということになります。

しかし、受注時間を後ろ倒しすると、物流センターの効率は下がりますし、作業時間も延長せざるを得なくなります。また、労働時間規制も厳しくなって残業代も上昇しているうえに、若いスタッフは長時間労働を敬遠する傾向が強くなっています。これを防ぐためにスタッフを増員しても、人件費のさらなる上昇を招きます。

この受注時間の後ろ倒しにどう対応するかは、対応サービスの中でもかなり重要です。

基本的には、全ての顧客に受注時間を守ってもらうことが最善ですが、どうしても不可能な場合は、一定以上のランクの顧客に限定して後ろ倒しに応じるなどの対応が必要になります。

【業界別解説】物流アウトソーシング会社・3PL企業の選び方

各業界の特徴や潮流、おさえておくべき要件などを説明したうえで、物流アウトソーシング会社・3PL企業の選び方を解説。
コスト削減&付加価値創造を実現できる物流パートナーを見つけましょう。

物流倉庫おすすめバナー