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物流のコスト削減、効率化のキーである在庫の考え方を解説

物流コスト削減方法の一つとして、在庫管理はロジスティクスの肝です。なぜ在庫管理が肝になるのか?在庫がなぜコストを増やすことになるのか?また在庫が増得てしまう理由などについてまとめています。また在庫に関する新たな動きや、在庫の適正量についての考え方、さらに在庫コントロールの方法についても解説しています。

在庫管理はロジスティクスの肝

無視できない在庫金利

前項でも述べたように在庫の計画と、そのコントロールはロジスティクスを推進するうえでの肝です。その最大のポイントは、「出来るだけ少ない在庫量で顧客に最大限のサービスを提供できるかどうか」です。

なぜ、「出来るだけ少ない在庫」なのか。その理由は、在庫には金利がかかるからです。在庫する商品を自社で購入したとします。そのために要した資金は金融機関に預けたり、国債や社債などで運用すれば金利が手に入りますが、商品を保管していただけでは、金利収入を得ることはできません。この部分はそのまま損失となります。

また、運送会社などが運営する営業倉庫に保管した場合、一般的には坪数に応じた保管料もかかってきます。では、自社倉庫なら大丈夫かと言えばそうではありません。在庫金利がかかるのは当然として、在庫をしている間、固定資産税がかかる倉庫や土地を遊ばせることになります。また、在庫期間が長引く間、市場動向の変化によって商品価値が低下するリスクがあります。

要するに在庫は、短期間の回収を前提とした投資なのです。企業は赤字続きでも資金が回転していれば事業を何とか継続できます。ところが、在庫が動かなければ、その購入に投じた多額の資金は〝死に金〟に同じです。お金が回らなくなると今度は仕入れ先への支払いも滞るようになり、倒産することになりかねません。

在庫は顧客ニーズのバッファ

では、なぜ在庫するかと言えば、顧客サービスのためです。顧客が翌日に商品が欲しいと言えば、その通りにしなければCSを得るのは難しく、業績は拡大できません。

しかし、翌日納品と言われても、サプライヤーから仕入れたり、メーカーに製造を発注して顧客のもとに届けるには数日を要します。仕入れ商品が到着、あるいは商品が完成して顧客に届けるまでに要する日数が「仕入れ(製造)リードタイム」です。これが仮に3日とすると、3日分の在庫を持つ必要があります。

本来なら顧客が3日の余裕を持って発注してくれればいいのですが、そうしたことはほとんどありません。3日分の在庫は顧客ニーズに応えるためのバッファ(無理を吸収する仕組み)と捉え、企業は在庫をできるだけ削減できるよう需要予測の精度を上げるなどの努力をしなければならないのです。

コンプライアンスで在庫の分散化?

ここでやや余談になりますが、在庫に関する新たな動きに触れておきたいと思います。

メーカーあるいはサプライヤーから届いた商品を顧客に届ける例を前項で取り上げましたが、実際のSCMはもっと複雑で、多くのメーカーや卸・小売業者は、運送会社や倉庫会社が持っている物流センターに商品を保管し、そこからトラックで顧客のもとに届けています。

そのトラックドライバーに対し、国土交通省は平成13年、労働時間等の改善基準を告示しました。なり手が少なくなっているドライバーの時短を進めて負担を軽減するとともに、過労運転による重大事故を防ぐためです。

改善基準にはドライバーの拘束時間や連続運転時間などの制限が事細かに定められており、これを守らないで一定の違反点数に達した運送会社には車両停止や営業停止などの厳しい行政処分が課されます。更に違反を誘発する無理な運行を依頼した荷主には勧告制度が導入され、勧告に従わない場合には社名公表などのペナルティーがあります。

こうした規制強化を背景に、改善基準に違反する可能性の高い長距離輸送から撤退する運送会社が増えています。そして、これに伴って、在庫の拠点も長距離の移動が少なくて済む、消費地に近い地方に分散する動きが強まっているのです。

メーカーや卸・小売業にすれば、在庫の分散化はコストアップに直結します。しかし、トラックドライバーの過度な負担を前提に成り立つロジスティクスを放置していると、ペナルティーはもちろん、運送会社から取引停止を持ち出されかねません。SCMを全体最適化するためには、現場を担う物流会社のコンプライアンスまで配慮に入れるべき時代になっているのです。

在庫は日数管理が一般的

在庫は顧客サービスを維持するためのバッファであると述べましたが、それでも在庫数を適正化する努力を怠ることはできません。ここでは在庫管理の具体的方法を深掘りしていきましょう。

在庫を管理する単位は「数量」ではなく「時間」です。数カ月、数時間単位の在庫もありますが、一般的には日数で管理するケースが多いです。

なぜ数量ではなく日数なのか。それは、大半の商品に年間を通して繁忙期、閑散期があるからです。これを無視して、例えば1日の在庫を100個というように定まった「数量」で固定化していたら、季節波動によって過剰在庫や欠品が発生してしまいます。これを防ぐため、季節波動に応じて「1日の適正在庫量」を調整し、「今の季節にこの商品はよく動くから◯日分在庫しておこう」と「日数」で管理するわけです。

季節変動をベースにした1日の在庫量

「1日の適正在庫」を算出するには、会社で蓄積した過去のデータから年間の月平均値を弾き出します。平均値が100個だとしたら、これを1とし、繁忙期の月には1・5、閑散期だと0・6というように係数を設定します。この係数を使って「1日の適正在庫」を算出する計算式は以下の通りです。

  昨年1年間の出荷実績÷営業日数×その月の係数

当たり前ですが、係数の高い繁忙月には「1日の適正在庫」が多くなり、閑散月には少なくなります。3日分の在庫を持つというルールを決めていたら、これに3を乗じれば季節変動に応じた在庫量が出てきます。

直近の出荷動向をベースにした1日の在庫量

これとは別に直近1~3カ月の月平均在庫量を計算し、1日当たりの適正在庫を弾き出す方法もあります。

対象とする期間が短くなるほど、直近の荷動きに敏感に反応するようになります。計算式は、

  (直近1~3カ月の出荷実績)÷(営業日数)=一日の適正在庫量

となります。

年間出荷量を基準とするか、それとも直近数カ月かの違いですが、年間を通じた荷動きの波動が把握できている商品なら前者で計算して構わないでしょう。しかし、社会情勢の変化で消費動向が変わった場合は後者の方がより正確です。

例えば、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要で一定の商品の動きが活発になりました。非常事態ですから過去のデータは通用しません。コロナ禍が終息する見通しが立つまで、この傾向は変わらないと予測できますから、直近数カ月のデータを基準にした方が適切です。

在庫には種類があり、適正量を保つためにはルールが必要

このように一口に在庫と言っても、保有する理由ごとに種類があります。大きく分けると

の3つです。これら在庫の適正量を計算するために、標準偏差などを使った計算式があるのですが、いちいち計算するのは面倒だしミスも発生しやすいので、後述するITの力を借りた方がはるかに効率的です。ここでは、前述したABC分析を使った在庫コントロールを説明します。

顧客の売上高や粗利益にABC分析を適用したのと同じように、在庫管理でも全出荷量の80%を占める約20%の商品アイテムをAランク、95%までを占める約50%までのアイテムをBランク、残り100%までのアイテムをCランクというように設定するのが一般的です。

そして、ランクに応じ、在庫の種類ごとに対応を決めていきます。Aランクなら安全在庫を保有して在庫日数も管理し、オプション在庫も想定するが、Cランクは安全在庫やオプション在庫は持たないーーという具合です。

全ての商品に同様のサービスレベルを設定していたら多大な費用がかかるため、ランクごとにサービスレベルを変えることで効率性を維持するのです。これは在庫コントロールにおいて定石にもなっています。

適正在庫量を確保するためにITは不可欠

消費者ニーズが多様化する中、あらゆる分野の商品で少量他品種化が進んでいます。これに伴って物流センターも大型化しており、例えば食品だと延べ床面積8000~10000坪で、常温・冷蔵・パーシャル・冷凍・超冷凍の5温度帯に対応するセンターも登場しています。

多品種少量化に伴って、在庫情報の管理も複雑になっており、もはやITの助けなくしてまともな運営は不可能といっても過言ではありません。

前述したように倉庫管理システムにはコスト負担の軽いクラウド型が登場していますが、地方ではまだサーバーで情報管理するケースが多いのが実情です。しかし、気候変動の時代、いつどこで自然災害が発生するか分かりません。サーバーが被害に遭えば、倉庫業務はストップします。一般的にクラウド型の方がセキュリテ性は高いのです。

在庫コントロールの精度を上げるため、メーカー・卸・物流業者が連携してIT化を更に推進し、SCMをより強固なものにしていく必要があります。

【業界別解説】物流アウトソーシング会社・3PL企業の選び方

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