物流パートナーが見つかる ブツレボ
企業にとって商品流通の実務は、マーケティングに直結する重要な作業です。
商品流通を自前で行う「自家流通」を構築するのも選択肢の一つではあります。ただし流通には、作業中の安全や、受注した商品を正しくお客様のもとにお届けするなど、繊細で複雑な業務が要求されます。
例えば保管は自社で行うが、配送作業は外部委託するという役割分担もありえます。
生産工場から消費地までが近い場合には、完全に自前の流通システムを構築するのが合理的です。
ところがネット販売が増えている現在、日本全国や世界中に商品を販売するとなると、自前で流通させるのは非常に困難です。
ドライバーなどのスタッフを社員として雇い入れたり、物流施設を所有するなど、人的投資や設備投資に過大なコストがかかります。物流コストを抑えて安全に、正確に荷物を配送するには、物流をアウトソーシングさせる方が良いでしょう。
企業活動のさまざまな面でロジスティクスの考え方が必要となっています。
具体的には調達・生産・販売の各事業領域で販売状況や在庫状況が可視化できれば、企業の意思決定や経営戦略に大きく寄与することができます。
単にモノを保管・流通させる機能だけではなく、企業の成長を見据えた提案型の物流が求められています。
企業はコア事業に資源を集中投下し、周辺的な管理作業は外注するというトレンドが業界にあります。
製造業を例に挙げる場合、消費者にとって魅力的な商品を作ることに経営資源のすべてを注ぎ、物流などは専門の業者に任せるという考え方です。
ただし、調達計画や生産計画などはサプライチェーンマネジメント(SCM)全体に強く依存する分野であるため、リアルタイムでの情報共有が欠かせません。
SCM成功のカギは情報共有にあります。デジタル化を進め、物流会社はお客様の問い合わせがなくても、常に情報をオープンしておくことが求められています。
そのうえで事業部の一部分のみを考えるのではなく、SCM全体で適したアイデア提案につなげていきたいものです。
企業の生産計画において、必要な数量を必要なタイミングで生産できればベストなのですが、製造ラインを止めたり動かしたりするにはコストがかかってしまいます。
一方で顧客からの注文は生産者側でコントロールすることができません。
生産しすぎて在庫が増えることは避けたいですし、顧客からの受注のチャンスは逃したくありません。
ロジスティック部門が生産から販売までの情報を一元管理できれば、不良在庫や欠品のリスクは大幅に減少します。
輸配送管理システム(TMS)や倉庫管理システム(WMS)などの物流管理系の情報システムは、製造工場から消費者に商品が届くまでの状況をリアルタイムに把握することが可能。商品の情報管理を製造部や事業部に分散させるのではなく、ロジスティックスを管轄する組織が一元的に管理をする体制が望ましいと考えられます。
ロジスティックス部門が販売状況や在庫状況を確認しながら需要予測をすることで、適した生産量をコントロールすることが可能です。
消費地に近く、生産工場からも近い場所は、リードタイムが短いため物流倉庫として使いやすい立地です。さらに高速道路のインターチェンジに近ければ申し分ありません。
ところが、このように都市圏に近い場所だと、地価が高くなりコストが上昇してしまいます。
通常の不動産と同じように、立地の良い場所は、価格も高くなってしまいます。このトレードオフの関係が物流倉庫建設の大きな課題です。
最近では大都市圏の海岸エリアに物流倉庫が建設されることが増えてきました。利便性が高く、アクセスが容易な場所では建設コストも高くなります。その価格をカバーするために、これらの物流倉庫は建坪が1万坪を超え、しかも多層階の巨大な施設であることが多いです。
巨大な物流施設は専門の物流業者によって運営されています。内部には多くのテナントが入り、輸送トラックが頻繁に出入りしています。大型化することによって一坪あたりのコストを下げ、郊外の倉庫と価格競争力を持つことができます。