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中小企業の配送コスト削減・配送料金節約のための方法や考え方

中小企業の配送コスト削減は、
宅配便、路線便、共同配送、チャーター便の使い分けがポイント

配送料金は工夫一つで大きな削減効果が期待できる

配送コスト削減のイメージ

中小企業にとって配送料金の負担は馬鹿になりません。業種を問わず荷物の配送が発生しますし、配送する荷物の種類や重さ、大きさ、届け先は様々です。会社によっては、特に大きな問題がないということで、これまでの慣習通り、日本郵便の「ゆうパック」、ヤマト運輸の「宅急便」、佐川急便の「飛脚宅配便」など1個〇〇円の宅配便を利用しているところも少なくありません。

しかしながら配送料の仕組みを勉強し、使い方を見直すことで大幅な節約が可能です。

宅配便による配送コスト削減(配送料金の節約)

BtoB(企業から企業)のサービスは特に要確認!サイズ・重量などで変わる配送・輸送サービス

メーカーなどでは自社商品を30個パレットに載せて地方に配送したいという場合もあるでしょう。この場合、「ゆうパック」「宅急便」「飛脚宅配便」などの宅配便を利用したら配送料の支払い金額は跳ね上がってしまいます。

なぜなら、宅配便は基本的にCtoC(一般消費者から一般消費者)、BtoC(企業から一般消費者)のサービスで、自宅や会社まで個別に配送するのが前提となっているため配送料は割高になっているからです。

このような場合は、BtoB(企業から企業)のサービスである路線便(特別積合せ便)を利用するのが一般的です。更にまとまった量の荷物を配送する場合は、地場の運送会社が行う共同配送やチャーター便(貸切便)を利用することになります。この場合、1個当たりの配送料は路線便よりも安くなるのが普通です。

ここでは、上記に説明した段階ごとに配送コストの削減のポイントを説明していきます。

「ゆうパック」「宅急便」「飛脚宅配便」などの宅配便の賢い利用方法比較

運べるサイズや重量は会社によって異なる各社宅配便を比較

宅配便で代表的なものは上記の「ゆうパック」「宅急便」「飛脚宅配便」ですが、実は運べるサイズや重さ、料金に違いがあります。ちなみにサイズはいずれのサービスも荷物の縦・横・高さの合計(3辺合計)となります。まず配送してもらえる荷物のサイズや重さをチェックしてみましょう。

なお、上記の規格を超える場合は、「重量ゆうパック」(3辺合計1・7m以下で重さ25㎏超え30㎏以下)、「飛脚ラージサイズ宅配便」(3辺合計2・6mまで、重さは50㎏まで)、ヤマト便(3辺合計2・0m以下、重さ30㎏まで)などのサービスがあります。

このように配送できる荷物の範囲期は微妙な違いがあります。

このうち、宅急便と飛脚宅配便は3辺合計と重さの基準のうち、数値が大きいほうの料金が適用されます。例えば宅急便で配送できる最小の荷物は「60サイズ」(3辺合計60cm以内、重さは2㎏まで)ですが、3辺合計がこの範囲に収まっても重さが3㎏なら、その上の「80サイズ」(3辺合計80cm以下、重さ5㎏以下)になってしまいます。

配送距離も料金に反映

荷物のサイズ・重さに加えて輸送距離も配送料金に反映されます。荷物を発送する地点と配達する地点の距離が長いほど配送料金は高くなるのが基本です。

ほとんどの運送会社では、配送エリアをブロックごとに分けています。ヤマト運輸だと北東北(青森・秋田・岩手)、南東北(宮城・山形・福島)などとなっています。同じエリアに配送するなら料金は同じで、例えば東京から青森、秋田に配送する場合は同じ北東北なので料金は変わりません。

各社の配送料金比較 どこが一番お得な宅配便?

次に各社の配送料金を比較してみましょう。ここでは理解しやすいように最小の「60サイズ」1個を都内から都内に運んだ場合の料金を比べてみます。

料金はいずれも税込みで、単純に比較すると、ゆうパックが最安値になります。

宅配便にも大口利用者向けの割引制度がある

ただし、企業が利用する場合、個人に比べて配送する荷物のロットは大きくなることが多いと思います。一般的な商習慣として大口利用者には値引きサービスが適用されるのが通例です。宅配便の世界でも同様で、例えば宅急便だと同一の配送先同時に2個以上のを配送する場合、1個100円が値引きされます。

すぐできる!持ち込みするだけで配送料削減 1年以内の同種同宛先も割引

また、ゆうパックだと、郵便局や取扱所、コンビニなどに持ち込めば1個につき120円引きです。

1年以内に発送されたゆうパックの「依頼主控」(同一あて先割引欄が印刷されているもの)を添えて、これと同じ種類・あて先の物を差し出すと、1個60円の割引となります。これは、持ち込みの割引と併用できるので、1個当たり180円の割引になります。

また、宅急便は営業所やコンビニなどに持ち込めば1個100円引き(クロネコメンバーズは更に50円引き)、飛脚宅配便も持ち込み100円引きがあります。

宅配便の値引きサービスは多種多様 複数口割引やデジタル割引や往復割引などなど

この他の値引きサービスとしては、デジタル割(ゆうパックスマホ割アプリを利用すると1個につき180円割引など)、往復割引、複数口減額制度など多くの種類があり、各社のホームページで紹介されています。

やや複雑ですが、しっかり研究して自社に最適なものを選ぶという手間をかけることをおすすめします。また、企業向けには事業所でラベルを印字できるソフトなど、便利なサービスも用意されています。つい簡単な手書きで済ませることもいいですが、一度ソフトを導入すれば、飛躍的に労力コストを削減し、現場のストレスも軽減できます。

梱包を工夫することで宅配便の配送料金削減

宅配便の料金体系を研究する以外では、梱包を工夫することで配送料金を節約することが可能です。

宅配便は3辺合計のサイズと重量で配送料金が決まるわけですが、重量を減らすことは無理としても、荷物にフィットする段ボールを選んだり、あるいは段ボールに切り込みを入れるなどして荷物ぴったりに梱包してサイズを小さくすることはできます。

ただ、荷物の特性によっては緩衝材を入れることも必要で、サイズダウンには限界があります。

宅配便各社の競争は激しい、都度情報確認が必要。

宅配便各社の競争は激しく、値引きサービスも常に更新されています。各社のホームページをまめにチェックし、さまざまな要素を総合的に判断して、トータルメリットを追求する姿勢が大切です。

社内人件費とのバランスも重要。必ずしも安くなる方法がベストな方法ではない。

宅配便の各種割引きは色々ありますが、目先の金額以外に目に見えないコストにも目を向ける必要があります。

例えば、持ち込みのほうが安いからと言って、いちいち郵便局や営業所まで社用車で持ち込んでいたらガソリン代が無駄になります。従業員の手間にもなり、割引の利用がかえって、無駄な工数を増やしかねません。

少しでも安いことに越したことはありませんが、それはあくまでこちらで配送の手間を肩代わりにするため、多少料金が下がるということはいつも意識しておきましょう。

路線便による配送コスト削減(配送料金の節約)

路線便の利用方法

企業対象のサービス、路線便

これまで述べてきたように宅配便は一般消費者向けサービスの色彩が強く、配送できる荷物のサイズや重量に制限があります。「ゆうパック」に対して「重量ゆうパック」など、各社とも上のランクを用意しているわけですが、これとてサイズ・重量に制限があります。宅配便で配送してもらえない荷物をどう安く配送するのか。そこで登場するのがBtoBの路線便です。

宅配便と同じ流れ・経路で運ぶ路線便

路線便を正確に表現すると「特別積み合わせ輸送」と言い、運送業界では、略して「特積み」などと呼ばれています。貨物自動車運送事業法の中では一般貨物自動車運送の一形態と位置付けられています。その輸送方法は

  1. 各営業所で集荷した荷物を、その地区を統括するターミナルに集約して方面別に仕分ける
  2. 仕分けた荷物は大型トラックに積んで目的地の地区を統括するターミナルまで輸送する
  3. 輸送された荷物はその地区の営業所別に仕分け、営業所から目的地まで配送する

というのが基本的な流れです。路線便は基本的に、不特定多数の荷主の荷物を扱い、トラックは定時で運行されます。トラックの荷台が荷物で満杯になろうが1割しかなかろうが、決められた運行スケジュールに従って輸送しなければなりません。

路線便も業者により上限等々、サイズ・重量に違いがある。

代表的な路線便会社には日本通運、福山通運、西濃運輸、名鉄運輸などがありますが、実は宅配便も特別積み合わせ輸送の仕組みの中で運営されていて、佐川急便やヤマト運輸も路線便会社です。

扱う荷物は宅配便のサイズや重量を超える荷物になるのですが、上限値は業者によって幅があるようです。日本通運のアロー便(企業間輸送サービス)を例に取ると、3辺合計5・0m以内、重さは1口2t以内で、1個の重さが1tまでとなっています。また、西濃運輸が法人向けに提供するカンガルー特急便の運賃表を見ると、運べる重量は1・5tまでです。

このように上限のサイズや重量などは路線便会社によって違うのですが、配送料金にも格差があるのが実態です。

路線便の曖昧な配送料金事情

路線便の配送料の単純な値切りは難しい、単なる価格競争の時代は終わりつつある。

一般消費者を対象とした宅配便は、割引サービスを利用したとしても、決められた運賃表や値引きルールをもとにした配送料金を支払うのが普通です。

大手EC(電子商取引)業者のように大量に荷物を出荷すれば別ですが、消費者が依頼する荷物の量は少ないし、そもそも宅配便を手掛ける運送会社自体が限られているため、中小企業がスポットで宅配便を利用する場合の値引き率も限定的です。

宅配便は運送業界の中で比較的、収益の確保できる分野なのです。これに対して企業間取引の路線便は企業間競争が激しいです。貨物自動車運送業は1990年12月に物流二法という法律が制定され、参入規制が緩和されたために事業者数が急増し、全国で約62000社あります。

荷物量を確保したい運送会社は、配送料金の値下げ競争に走り、その結果、路線便の料金も下落してきました。国土交通省が標準運賃表(タリフ)を公示し、路線便業者も運賃表を公表しているものの、ほとんど守られていません。極端な話ですが、いまだに昭和時代のタリフが適用されていたり、荷主によって運賃体系が違うのが実態なのです。

荷主企業にとってみれば、競争原理が働いている路線便は「配送料金削減の余地が大きい」と言えるでしょう。しかし、「配送料削減」をテーマにしたこのサイトの趣旨とは逆行するのですが、現実には路線便の配送料金を値切ることは難しくなっています。これは路線便だけでなく、共同配送やチャーター便を含めて運送サービス全体に言えることです。

ドライバー不足が配送料削減のブレーキに

トラックドライバーは「全業種平均より賃金が2割安く、労働時間は2割長い」と言われ、人材不足が深刻化しています。また、トラックの購入価格も年々上がり、燃料の軽油は国債先物市場に左右されて常に経営圧迫要因です。

そんな中で、運送会社にとってドライバーの待遇改善と労働時間の短縮は至上命題になっています。福山通運は2018年1月、運賃交渉の専門部署を設置して、条件が曖昧だった契約の見直しと値上げに乗り出しました。荷物のサイズや重量、距離などの基準を明確化した運賃制度への切り替えを荷主企業に求めています。同社だけでなく、他の路線便業者も同様の動きをしており、コロナ禍による荷物量の減少でやや勢いが削がれたとはいえ、今後も配送料金値上げの方向性は変わらないでしょう。

標準的運賃で国交省が値上げを後押し

また、トラックドライバー不足が経済や国民生活に与える悪影響を重く見た国土交通省は、ドライバーの待遇改善と人材不足緩和を狙って、2020年4月にトラック輸送の「標準的運賃」なるものを制定しました。

ここに盛り込まれた運賃は実勢運賃とは2倍程度の開きがあり、運送会社に言わせると「実態とは乖離した高い運賃」です。標準的運賃は告示なので法的強制力はありませんが、監督官庁が特定の業界を事実上支援するのは異例であり、これが後押しとなって実勢の配送料金の相場が上がってくる可能性は大きいと言えます。標準的運賃は重要事項なので後述します。配送料金を削減するにはまずこの実態を知らなければなりません。

現状を考えた場合、「同業者を天秤にかけて安いほうを選ぶ」という単純な配送料削減策は通用しなくなりつつあります。では、配送料金の削減は無理なのか。決してそんなことはありません。次からは、配送料金を下げる様々な輸送方法を見ていきましょう。

共同配送による配送コスト削減(配送料金の節約)

中小運送会社が工夫を重ねる、共同配送とは?

中小運送会社が独自のサービス 共同配送

路線便は複数の会社の荷物を同じトラックに載せて一緒に輸送するわけですが、これと似た輸送形態に共同配送があります。路線便を行っているのが大手物流会社なのに対し、共同配送は地場の中小運送会社がそれぞれ工夫を凝らしてサービスを提供しています。

競争原理が働く共同配送の中ロット貨物

こうした共同配送の多くは「中ロット」の貨物をターゲットにしています。トラックによる輸配送においては車両1台分の輸送量が基本的なロットとなりますが、中ロットは1台に満たない量の荷物のことです。部品入りの段ボールだと、パレットに載せて1~3パレットというイメージです。

インターネットで「中ロット」「積み合わせ便」などで検索すれば、運送会社のホームページがたくさん表示されるはずです。路線便も中ロットの積み合わせ便の一つですが、地域運送会社も同じようなサービスを手掛けるようになったことで競争原理が働くようになっています。

トラックの空きスペースを利用 共同配送でより運賃を安く

中ロットの共同配送を利用する場合、トラックのスペースをチャーターするという感覚でオーダーすることです。一般的にトラックのトン数が大きいほど運賃は高くなりますが、2トンの荷物を2トン車丸ごと手配して運ぶのではなく、4トン車や10トン車の「隙間」で運んだほうが運賃は安くなります。

また、配送する製品の量が同じでも、スペースを利用するトラックの大きさによっても運賃は変わります。意外かもしれませんが、同じスペースを利用するとしても4トン車より10トン車を利用するほうが運賃は安くなるのです。4トン車も10トン車も運送経費に大きな差はなく、より大きな10トン車のほうがスペース当たりの単価は下がるからです。

ただし、配送先によっては10トン車が進入できない場合もあるので、納品先に確認しておく必要があります。

共同配送の代表的2パターン。「納品先の共同化」と「エリアの共同化」

さて、その共同配送には色々な形態がありますが、大きく分けて「納品先の共同化」と「エリアの共同化」に分けられます。これらのサービスを利用した場合、全てのケースではありませんが、配送料を削減することが可能です。

納品先の共同化

製品の販売先が同じ企業同士が同じ得意先に同時納入するのが「納品先の共同化」です。

これが広がっている背景には配送の小口化・多頻度化があります。メーカーから納品を受ける卸業者の立場になった場合、チャーター便で大きなロットの荷物を届けられると、倉庫が大量の商品であふれ、緊急でない商品在庫の在庫金利も上昇してしまいます。

このため、卸業者は週1回だった大口注文を週3~4回の中小ロットの注文に切り替え、必要な時だけ必要な量の品物を調達するようになっています。メーカーにすれば、チャーター便を利用し、まとめて納品したほうが1個当たりの配送料は低くなります。しかし、卸業者の要請には応えざるを得ず、小口化・多頻度化に合わせて配送料が割高な路線便を利用しているケースは多いのです。

そこで登場したのが共同配送です。共同配送を手掛ける地場運送会社はもともと、路線便で運んでいる中小ロット荷物の市場を取り込むために共同配送サービスを設計しているケースが多く、これをうまく利用すれば配送料金は路線便より安くなります。

ただ、納品先の共同化は難点もあります。同じ配達先に納品する会社が近くに集中していれば効率的に集荷できますが、そうでない場合は莫大な投資をして、荷物を集約する物流センターを設置する必要があります。

この場合、関係会社で協力し合えば不可能ではなく、納品先の共同化は食品、酒類飲料、医薬品、建材、量販店など幅広い業界に浸透しています。

配送エリアの共同化

同じトラックが複数の都道府県にまたがって配送すれば、走行距離は伸びるし、ドライバーの残業時間も長くなってコストは上昇します。これを運送会社同士でエリア分けし、「○○地区ならウチに任せてくれ」という形にしたのがエリアの共同化です。

遠方から来たトラックは、エリア担当の運送会社の倉庫に荷物を下ろすだけ。あとは担当の運送会社が、エリア内の荷物を方面別に仕分け、末端までの輸送を請け負います。この形態では、納品先の共同化のように大規模な物流センターは必要なく、エリア担当の運送会社は既存の施設を生かしながら、担当エリアをルートに分けて運行するため、路線便に比べてリーゾナブルな配送料金を設定することが可能になります。

配送料金以外にも共同配送にはメリットがある

共同配送が路線便に比べて有利な点は料金面以外にもいくつかあります。見逃せないのは荷物の破損や紛失などの商品事故が、共同配送のほうが少ないという点です。

前述のように路線便は、少なくとも2カ所のターミナルで荷下ろし積み込み、仕分けなどが行われ、集荷・配達の各エリアでも同様の作業が発生します。これに対して共同配送は基本的に積み替え拠点が1カ所で、荷役作業が少ない分、商品事故の発生確率は小さくなります。荷物の破損や紛失は信用問題に関わってきます。せっかく発送したのに商品が割れたり、汚れていたら、送りなおす必要があります。

運送会社に賠償を求めるとしても、顧客のフォローに関わる手間や時間、間接コストは馬鹿になりません。目先の配送料金だけでなく、トータルなコストにも目を向ける必要があります。

チャーター便による配送コスト削減(配送料金の節約)

チャーター便による配送料削減

チャーター便は大きな車ほど1個の配送料が安く

これまで小・中ロットの配送料について述べてきましたが、トラック1台分を満たせる荷物量があるのなら、チャーター便が有利です。

中型車より大型車、大型車よりトレーラというように車両が大きくなるほど1個当たりの配送料金は下がります。逆に積載効率が低い場合、1個当たりの料金が割高になるため、路線便や共同配送のほうが安くなります。

配送料金は距離制と時間制

チャーター便の配送料金は大きく「距離制」と「時間制」に分かれています。

距離制の基本計算式は「車種(2t車、4t車など)×距離帯(20㎞までなど)」となります。例えば、東京から大阪まで2t車をチャーターしたら、2トン車×600㎞までの運賃が適用されます。

ただし、この距離制運賃は、燃料費や人件費の違いを反映して、運送会社や地域によって差があります。また、深夜時間帯や休日運行などの場合、割増料金が付加されるケースもあります。

一方、時間制の運賃は「車種×時間帯」で算出されます。例えば8時間は1日、4時間は半日(午前もしくは午後)に相当します。大半の運送会社は、シンプルで管理がしやすいことから8時間制・4時間制を採用しています。

高い輸送品質が期待できるチャーター便

チャーター便のメリットは、一般的に高い輸送品質を期待できる点です。なぜなら、A地点からB地点までダイレクトに輸送するシンプルな形態なので、積み替えのある路線便や共同配送よりも荷物の痛みや紛失が少ないからです。

また、集荷・納品時間を荷主企業側の事情に合わせてもらえるのもメリットです。こうした利点を、配送料の削減につなげることができます。

時間の融通で配送力安く

中国地方にある鉄鋼メーカーの例ですが、納品先であるユーザーからの急な輸送依頼を避けるため、ユーザーに1週間程度前にオーダーするよう要請しました。すると割と簡単に理解してくれ、協力してくれるようになったそうです。

メーカーとそのユーザーとの間では、集荷・納品の日時が指定されているのですが、ユーザー側からすると「別に朝一番でなくてもよいのに」「今週中でも構わない」といった話がままあります。双方が改めて話し合ってみると、集荷・納品時間に幅を持たせる余地は意外に多いのです。

運送業は車両稼働率をいかに上げるかが勝負です。急な輸送依頼がなければ、そのためにトラックを待機させておく必要はなく、車両を他の仕事に振り向けることもできるため、配送料を低く抑える余地も出てきます。また、納品時間に幅を持たせることができれば、ドライバーの拘束時間を短縮し、残業代を削減することができます。

トラックの隙間時間を利用

その他のコスト削減策としては、トラックの隙間時間を利用する手があります。

輸送品目にもよるのですがトラックの多くは、夕方に荷物を積み込み、翌朝一番で配送しています。つまり昼間の時間帯は空車で走ったり、駐車場で休んでいるのです。この隙間時間を活用して運賃を安くすることができます。

運送会社によっては車両の稼働率を上げて収益を確保するため、トラックの隙間時間の活用を荷主企業に積極的にアピールしているところもあります。

帰り便を活用して節約

古くから行われているのが帰り便の活用です。例えば、大阪から東京に荷物を運んだトラックの荷台は空になります。運送会社にすればここに荷物を積んで少しでも収益を上げようとします。もし、大阪まで運んでほしい荷物がある場合、このトラックに頼めば、配送料は多少安くなる可能性があります。

規格外荷物の配送コスト削減(配送料金の節約)

チャーター便から共同配送へ

これまで宅配便、路線便、共同配送、チャーター便を見てきましたが、これらの輸送手段では運んでもらいにくい荷物があります。

長尺物や重量物、異形貨物など規格外の荷物です。具体例を挙げると、鋼板、木材、パイプ、コイルなどです。トラック業界ではこれらは通称「ゲテモノ」と呼ばれています。ゲテモノの荷物は、宅配便の規格から外れますし、路線便や雑貨などを扱う共同配送便からは敬遠されがちです。

このため、荷主企業はチャーター便を利用せざるを得ず、割高な配送料金を払ってきました。しかし、こうした規格外荷物を専門に扱う共同配送も登場し、配送料を削減することが可能になっています。これまでチャーター便扱いだった規格外荷物を一台のトラック(平ボディ車)に積み合わせ、小口料金を適用しているのが最大の特徴です。

このタイプの共同配送で代表的なのは、全国の運送会社で組織する「メタル便」です。その輸送形態は、エリアごとに担当の運送会社を配置する「配送エリアの共同化」です。関東エリア担当のA社の物流センターに、他のエリアを担当するB社やC社が集荷してきた荷物を輸送します。A社はこれらの荷物を関東エリア内の方面別に仕分け、配達先まで届けます。逆にA社は関東エリアで集荷してきた荷物を別のエリアのB,C社の物流センターに持ち込み、エリア内の配達をしてもらうのです。

メタル便はトラック業界で敬遠されがちだったゲテモノ輸送を逆にビジネスチャンスをとらえ、新たな市場を開拓した好事例です。メンバーの運送会社は潜在需要を開拓して業績を伸ばしています。

トラック業界ではこうした新しいサービスが他にも開発されています。荷主企業は常に情報収集に努め、新しいサービスを利用することで配送料を削減することが可能になっています。

標準的運賃、その対処の仕方は?

ここまで荷物の種類やロット単位ごとに配送料金の節約方法を述べてきましたが、忘れてはならないのが標準的運賃です。配送料の削減というテーマを追求する上で避けて通れないので、最後に改めて触れたいと思います。

運賃表は全日本トラック協会のホームページで閲覧することができます。大きく分けて時間制運賃表と距離制運賃表に分かれています。時間制運賃表では関東で中型車(4t車)だと8時間制運賃が45790円、4時間制は27470円。一方の距離制運賃表は全国の運輸支局別に作成されていて、関東運輸局管内だと中型車で100㎞だと37000円などとなっています。

法的強制力はなし

標準的運賃は実勢運賃よりかなり高いということは先に述べましたが、決して根拠のない数値ではなく、専門家が適正な運送原価を計算して弾き出した運賃です。見方を変えれば、実勢運賃がこれまで、いかに安かったということです。

これがトラックドライバーの低賃金、長時間労働につながり、ドライバー不足に拍車をかけた大きな要因となってきたのです。国交省の動きに呼応して、全国の運送会社は続々と運輸支局に標準的運賃に基づく運賃・料金の設定・変更申請を行っています。

しかし、役所に申請したからと言って、法律的な強制力があるわけではありません。標準的運賃に「的」の字が入るのはここに理由があります。荷主企業は標準的運賃を無視して配送料金の値下げを求めることはできるのです。

単純な値切りは難しく

しかし、全国約62000社にまで増えたトラック事業者の数は新規参入の鈍化や事業撤退の増加などで頭打ちになっています。また、人材確保が難しくなっていることから、廃業や事業譲渡する中小運送会社も増えてきました。

その一方で、ドライバーの労働時間規制をクリアするため、長距離輸送から撤退する運送会社も相次いでいます。つまり、荷主企業が優位な立場で業者を選べていた業界構造は変化しつつあり、配送料金の値下げを単純に求めるのが難しくなっているのが現実なのです。

では、配送料金の削減は諦めなければならないのかと言うと、そんなことはありません。事態打開のためのキーワードは「WIN-WIN」の関係作りです。

運送会社と依頼主のWIN-WINの関係作りで配送料を削減

運送会社と依頼主の互いの立場を尊重した交渉が必要

標準的運賃がこれから実勢運賃の底上げに寄与するのは間違いありません。しかし、荷主企業が標準的運賃通りの配送料金を支払わなければならなくなるとかと言うと、それも違います。

標準的運賃は実勢運賃を大きく乖離しているため、ほとんどの運送会社が運賃表通りの配送料金を得られるとは考えていません。運送業経営者の中には「実勢運賃と標準的運賃の差額の半分ぐらい貰えれば御の字」との声もあります。

また、いくら業者数の伸びが鈍化してきたとは言え、トラック業界ではまだ競争原理が働いています。複数の運送会社の中から、最も配送料金が安い事業者を選択することも全く不可能なわけでもありません。

ただ、運ぶ側の事情を考えた場合、単純に配送料金を値切ることは難しくなっています。また、安い配送料金だけに目を向けると、輸送品質の低い事業者を選んでしまうリスクが高くなり、商品事故などが相次いで安定した輸送サービスを受けられなくなることも考えられます。

こうした事態を防ぐためには、運送会社と互いの立場を尊重しあう交渉を行うことです。これまで縷々説明してきた配送料金削減策は、運送会社にもメリットがあるものがほとんどです。例えば共同配送は荷主企業が1個当たりの配送料金を削減できるのと同時に、運送会社も積み合わせによりトラック1台の収益を上げることができます。

また、トラックの隙間時間を利用すれば、荷主企業が安く運んでもらえるだけでなく、運送会社も車両稼働率が上がり、収益を確保することが可能になります。

こうしたWIN-WINの関係を築くには、信頼性が高く、提案力のある運送会社を選ぶことです。荷主企業と運送会社が腹を割って話し合い、双方にメリットのある建設的な妥協点を見出すことができれば、真の意味の配送料金削減が実現し、トータルな物流コストを下げることもできるのです。

【業界別解説】物流アウトソーシング会社・3PL企業の選び方

各業界の特徴や潮流、おさえておくべき要件などを説明したうえで、物流アウトソーシング会社・3PL企業の選び方を解説。
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