輸送や配送などの運送業務は、物流の根幹を担っています。一方でドライバーと車両の確保や、効率的な配送ルートの確立などの課題があり、コストや業務効率に影響が及びます。もし輸送・配送の省力化を実現するなら、3PLへの委託も検討の余地があります。ここでは、物流における輸送業務の特徴や必要な要件、アウトソーシングするポイントをご紹介します。
輸送は、企業や個人に商品を運ぶ業務をいいます。例えば、取引先企業に製品サンプルを送ったり、ユーザーが通販で購入した商品を届けたりする業務が該当します。物流における基本的な機能である一方、重要な役割を担う業務です。
運送業務は、大きく輸送・配送・運搬の3種類に分けられます。物流において、輸送は大量の荷物を長距離移動させることを指し、配送は近距離で複数箇所へ荷物を運ぶ時に使われます。運搬はさらに範囲が狭く、倉庫や物流拠点内で荷物を運ぶ際に使われる言葉です。
運送の方法は陸送や海上輸送、空輸の3種類に分かれています。陸送はトラックやトレーラーが中心ですが、鉄道を使用する業者もあります。海上輸送は船舶が中心で、国内はもちろん、海外に荷物を運ぶ際にも使われています。空輸は航空機を使い、スピーディに荷物を運送できます。なお、空輸ではヘリコプターを使うケースもあります。
仮に輸送などの運送業務を自社で手がける場合、運送業などの認可を受け、トラックやトレーラーなどの購入と、ドライバーの確保が必要です。運ぶ荷物によっては、特殊な車両も必要になります。倉庫や物流拠点の整備も必要で、土地の取得費用や倉庫の建設費用、設備・機材などのコストがかかります。
自社で体制を整える場合、コストが重荷となりかねません。ドライバーの確保も必要ですが、物流業界はドライバー不足の課題に直面しています。そのため、一から運送業務の環境を整えるのは困難を極めます。3PLへの外部委託を検討するべきでしょう。
輸送や配送をアウトソーシングする際は、対応可能な商品や、倉庫・物流拠点の立地の確認が必要です。大きな荷物や重量物を扱っている場合、特殊な車両が必要になることがあります。また、化学品などの危険物は取り扱いに注意を要します。ドライバーには、運転技術や安全に対する意識が求められるため、対応の可否を含めて慎重な確認が必要です。
倉庫などの立地は、リードタイムに関わります。ECなどスピードが求められる業種は、特に重要性が高めです。商品到着までのスピードは、サービスの評価にも影響します。3PLに委託する場合、どこに拠点を持つか確認すると同時に、配送に要する日数もチェックしておきましょう。
なお、物流のプランニングはもちろん、包括的に委託できる3PLであれば、組織・企業全体でのコスト削減効果や生産性向上が期待できます。3PLを選ぶ際は、どこまで対応してもらえるか相談してみるとよいでしょう。